とりあえず車を楽しむ

アウディ TT RSクーペ 6MTに乗ってみた 5気筒エンジンのサウンドはやみつきになる

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前回、こちらの記事でTT RSクーペという車についてと内外装の紹介をしました。

今回は実際に運転してみてのドライブフィールについてです。走行時間の割合としては、街中:高速:ワインディング=1:2:7くらいです。

「表筑波スカイライン」をメインに走りました。千葉周辺で気持ちよく走れるワインディングといったらまずはここが思い浮かびます。

車輌感覚はつかみづらい

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TTはウインドウの位置が高く、シートに着座すると包まれ感がありますが、その代わりに見切りは悪いと感じます。

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ボディは上下方向に厚みがあり、ボディがキャビンからせり出していることもあり、サイドミラーからはこのふっくらしたボディばかりが写り、ミラーの角度を下にしても後輪の位置が見えません。

 

後輪が見えないとバックするときや、直角を曲がるときの後方の感覚が分かりづらいです。

コンビニの駐車スペースにバックでとめたとき、縁石に当たらないくらいの位置にとめようとしました。「ピピピ」という警告音まで鳴ったので、ちょうどいいくらいかなと思って車を降りてみると、縁石から結構離れていて、恥ずかしいくらいに前よりにとまっていました。

 

また、こういう張り出したボディの車は狭い道で縁石に寄せるときが怖いです。

 

操作系について

ステアリング

2代目TTのパワステは電動タイプですが、極低速での取り回し時や街中走行時には操舵感はかなり軽めです。

 

ただ、どういう制御かは分かりませんが、峠道を走っているときや高速走行時はそれなりに重くなり、しっかりと手ごたえがあり、感触は良かったです。

 

メーター

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メーターはアナログの大きな2眼タイプです。個人的に小さいメーターは好きではないので、このくらいの大きさはちょうどいいです。

 

メモリの大きいタコメーターは回転数の変動の様子が目で見て分かりやすく、それだけで運転の楽しさがアップします。

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アナログのスピードメーターは写真の通り、目盛りが途中から変わります。70か80km/hまでは一目盛りあたり5km/h刻みで一定なのですが、それ以降は一目盛りあたりの数値が大きくなっていきます。100km/h以上になると、10km/h刻みになる上に、目盛りの感覚が狭くなるので、ぱっと見でスピードが把握しにくくなります。

6MT シフトフィール

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アウディには珍しい6MTです。ハイパワーの外車スポーツカーをマニュアルで乗れる非常に希少な車です。現行の3代目TT RSの国内仕様にはマニュアルは設定されてないようですね。

 

ショートストロークで若干重め(固め)のかっちりしたフィールです。動きが固めなので、シフトノブを手の平でしっかり握ってギアチェンジする感じになりました。手首の動きだけでスコスコと入れるのではなく、腕を動かしてギアチェンジするような感じです。端から見ると、荒っぽくシフト操作しているように見えそうです。

ペダル類

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クラッチペダル、ブレーキペダル、アクセルペダルの3つとも適度に重く、非常に運転しやすかったです。アクセル踏み込み量に対してのレスポンスも自然で、クラッチミートの感覚も掴みやすく、2,3回発進操作をすれば、自分の所有車のごとく、スムーズに発進できるようになります。

ブレーキフィールは最高

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フロントブレーキ

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リアブレーキ

TT RSはフロントブレーキは対向4ポッドキャリパーが装着されます。リアブレーキは片押しキャリパーです。ローター径は前370mm、後310mmで、フロントのみドリルドローターが採用されています。 

 

ブレーキタッチは一言でいうと最高です。

踏力に比例するブレーキで、まさに踏んだ分だけリニアに制動力が出ます。初期制動が強いということもなく、途中から効きが強くなるポイントがあるということもありません。

 

1の強さで踏めば、1の強さで効き、8の強さで踏めば、8の強さで効く、そんなイメージです。当たり前のようですが、なかなかないブレーキフィールで、非常にコントローラブルです。

 

ストッピングパワーも相当高く、1500kgという重めの車体ですが、峠の下りでも何の不安も感じません。

 

ブレーキ鳴きはそこそこあります。下りなどではキーっと鳴りますが、いかにも高性能ブレーキという感じでかっこいい。

 

街中運転時のペダルを踏んだ時の感触も良く、穏やかに効き始めますが、あいまいな感じはなく、ちゃんとブレーキが効いているというのが感じられます。

 

5気筒エンジンの咆哮はしびれる

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引用元:https://www.webcg.net

TT RSの目玉はなんといっても5気筒エンジンです。2.5リッター5気筒ターボエンジンが横置きに搭載されます。

 

5気筒エンジン搭載の車は大変珍しく、最近の車ではアウディRS3、RS Q3、TT RSとボルボの一部の車種くらいにしかないようです。

 

5気筒エンジンは独特のサウンドを奏でます。どことなくV10エンジンの音にも似ていますね。街中の運転時には5気筒エンジンは影を潜めていて、4気筒エンジンだと言われても気付かないと思います。

 

高速への合流や峠の上りなど回転数を上げられるシチュエーションになると5気筒エンジンが主張を強めだします。

 

3500回転くらいから音が変わり始め、荒々しい音が湧き上がってきます。4500回転くらいからV10のようなサウンドに変わり、6000回転後半まで回転の高まりに比例して盛り上がり、5気筒の雄たけびが強まっていきます。

 

なんとなく運転しているTT RSがどう猛な獣のように感じてしまうサウンドです。このエンジンサウンドは1回聞くとやみつきになってしまいます。

 

この5気筒エンジンの独特な音は、動画でしか聞いたことはありませんが、V10エンジンの音と雰囲気が似ています。

 

 TT RSはBABY R8などと呼ばれることもあるようですね。R8 V10のエンジンサウンドがよく分かる動画を貼っておきます。


[Audi R8 V10] TVCM / The new Audi R8 V10 [アウディ ジャパン]

 TT RSの5気筒エンジンとは全くの別物ですが、荒々しい感じの雰囲気は似ています。

 

 また、TT RSはターボの音がよく聞こえてくるもの良いです。 

 45.9kgmのトルクは伊達じゃない

2代目TT RSのエンジンスペックは馬力は340PSで驚くほど高いわけではないですが、1600-5300rpmという低回転から発生する45.9kgmのトルクはさすがで、私が乗っているレガシィの35.0kgm/2400rpmと比べても段違いのパワー感があります。

 

レスポンスのいいエンジンも相まって急坂でもべた踏みするとステアリングを握りながらも後ろにのけぞるような加速をします。クワトロのためか安定感もすごい。

 

また、ターボラグもほとんど感じず、低回転でも十分なトルク出ているので乗りやすいです。低速トルクが細く、ターボラグのあるEJ20とは違います。

 

横置きエンジン車のクワトロ

アウディはA3,TTなどの横置きエンジンの車とA4以上の縦置きエンジンの車とでクワトロのシステムが異なるようです。

 

A4以上の縦置きエンジンの車の4駆はセンターデフを持ち、常に4輪に駆動力が掛かるいわゆるフルタイム4WDで、アウディの伝統的なクワトロというとこっちのことを指すようです。ちなみに現行型A4の前後トルク配分は 40:60になっているようです。

 

一方、A3,TTなどの横置きエンジンの車にはセンターデフを持たない、「ハルデックスカップリング」を使った4輪駆動システムが搭載されます。私が乗ったTT RSは第4世代のハルデックスカップリングを採用していて前後トルク配分 95:5~50:50となるようです。

 

ネットの情報を見ていると、この横置きエンジン車のクワトロはスタンバイ式の4輪駆動で基本はFFとして走るなどという記載も見られたので、実際どのような走りなのか気になっていました。

 

実際にワインディングを走ってみたところ、コーナリング時に、アクセル踏むと内側に曲がっていこうとし、明らかに後輪への駆動配分がされていると感じました。前から引っ張られる感じも、後ろが路面を蹴っている感じもありました。

ちなみに、直進しているときにどういう配分になっているかは全く分かりませんでした。

 

回り込むようなコーナーでもぐいぐい曲がっていき、レガシィ(SUBARUのWRX STI以外のMT車は前後トルク配分50:50)と比べてもよく回ってくれる印象を持ちました。

 

ワイドトレッドとショートホイールベースにこのクワトロの組み合わせのためか、よく曲がる車でワインディングは非常に気持ちよく走れました。

高速安定性について 

TTは2465mmというショートホイールベースですが、100km/h巡行での高速安定性は抜群でした。100km/h程度ではTT含めドイツ車の実力は分からないのかもしれません。

 

100km/hからの追い越し加速では矢のように突き進む感覚がありました。また、レスポンスが良く、低回転からトルクの出るエンジンということもあり、100km/hからの加速はギアは6速のままで十分でした。

 100km/h時のエンジン回転数は6速で2,200回転程です。

 

ステアリングのメンテナンスにおすすめの3製品を紹介【本革クリーナー】

 

5気筒エンジンをマニュアルで操れる貴重な車

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個人的感想ですが、今回借りたTT RSの最大の特徴は、惚れ惚れする程いいサウンドを奏でる5気筒エンジンを6MTで乗れることです。

 

あの独特のサウンドは一度聞くと、やみつきになります(笑)上まで回したくなるエンジンっていいなと改めて思いました。

 

正直、5気筒エンジンとMTというだけでこの車を買いたいと思う程でした。ただ、中古車サイトで調べてみると、MTで絞ると3件くらいしかヒットせず、あまりにも玉数が少なく残念です。まあ、どのみち高くて私には手が出せませんが。

 

また、TT RSはボディ幅は1840mmと大きく、車重も1500kgと重たいですが、表筑波スカイラインのような狭めのワインディングでも非常に気持ちよく走らせることができました。

また乗ってみたい車の1つです。

 

※5気筒エンジン搭載車種について調べました。

※BMW 320d(F30)にも乗りました。

 

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